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竹島【蒲郡市】

うみエリア 事業者の声

田原市

美味しいトマトとこだわりがぎゅっと詰まった「生ケチャップ」
~東三河の「食」で東三河ファンをつくりたい~

道の駅田原めっくんはうす「田原のうまいだれセット-生けちゃっぷ」事業者:鈴木農園 代表 鈴木教広さん

全国有数のトマトとメロンの産地「渥美半島」

海と山の豊かな自然に恵まれた渥美半島は、1968年に豊川用水が開通して以来、全国有数の花と野菜の産地で、全国トップクラスの生産量を誇る。その地でトマトとメロンの施設園芸を手掛けているのが、鈴木農園の鈴木さんだ。

味わいのある「桃太郎ファイト」/食べやすい「サンドパル」

鈴木さんは農家を継いで約30年になるが、水耕栽培が主流の中であえて土耕栽培にこだわり、これまで20種類のトマトの品種を試すなど、とにかくトマトの味を追求している。
現在、鈴木さんが生産するトマトの品種は「桃太郎ファイト」と「サンドパル」。「桃太郎ファイト」は糖度を重視したフルーツトマトの元となる品種であり、果肉の触感がよく、甘味と酸味のバランスがいい。一方、「サンドパル」は桃太郎ファイトより果肉がしまっており、酸味が少なく食べやすい。またゼリー部分が小さく、輪切りにしても形が崩れにくいため、サンドイッチやハンバーガーに最適な品種だ。

一番おいしい状態でお客様にお届けしたい

鈴木さんは栽培したトマトを市場出荷するだけでなく、個人販売も行っている。生産者としてお客様に一番おいしい状態でトマトを届けたいからだ。トマトは収穫時期や品種で味が変わるため、売り方にも工夫を加えている。旬を過ぎた時期でも美味しく食べてもらえるよう、トマトに合うハーブソルトを自ら開発するこだわりぶりだ。
「個人販売を始めた当初は、売上は厳しかったですが、購入いただいたお客様には、長くファンになっていただいています。」と鈴木さん。特に「サンドパル」は市場出荷はせずにすべて個人販売しているそうだが、トマトのゼリー部分が嫌いな人でも食べられるものとして、年配のお客様から好評を得ているそう。今では、ネット販売、道の駅での産直、八百屋や飲食店などの個別取引などが増えている。
鈴木さんから一言。「お客様に食べてもらって、また食べたいと思っていただく。それを繰り返していくことで、ファンを作るのが一番です。自分なら何を買うかを常に考えながら、商品を作り、商品を売っています。」

「もったいない」想いから誕生した「生けちゃっぷ」

トマトを生産する中で、どうしても傷がつくなどして流通できないトマトがでてくる。今までは欲しい人にあげたり、安価で引き取ってもらっていたりしたものの、流通できないトマトの中には、売られているトマトよりおいしいものもあり、鈴木さんはずっと「もったいない」と感じていた。食品ロスを少しでも減らすため「トマトジャム」や「トマト酢」を商品化したが、それでも傷がついたトマトは使い切れなかった。
そこで鈴木さんが開発したのが「生けちゃっぷ」だ。きっかけは、知り合いの精肉店から、イベントに出品するハンバーグに合うトマトソースをつくってほしいと依頼を受けたこと。鈴木さんは、コスト度外視でとにかくおいしいトマトソースを目指した。そのソースをイベントで販売したところ、即完売。お客様の反応を目の当たりにした鈴木さんは、そのソースをベースに「トマトケチャップ」の商品化を決意したという。

2種類の「生けちゃっぷ」でいろんな料理を開発

350gの「生けちゃっぷ」を作るのに必要なトマトは1kg。3分の1まで水分を蒸発させ凝縮し、さらに肉の風味にもまけないスパイスを隠し味で混ぜている。
また、2種類のトマトで、それぞれの特徴を活かしたケチャップを作り上げている。「桃太郎ファイト」のケチャップは酸味が強いため自分でアレンジしたい人向きで、パスタなど加熱調理に合う。「サンドパル」のほうは酸味が少なくそのままの味を手軽に楽しみたい人向きで、ピザトースト、卵かけご飯などにそのままかけて食べられる。
鈴木さんは、「おすすめは「桃太郎ファイト」のケチャップで作ったナポリタン。レシピが知りたいというお客様に教えたレシピをきっかけに「生けちゃっぷ」をご購入いただくお客様も増えました。」とうれしそうに語ってくれた。

生産者の誇りで東三河のファンを増やしたい

鈴木さんは、普段はキッチンカーで、トマトを使った「酸辣湯(サンラータン)」など様々な料理をお客様に提供している。農家が減少する中、生産者として自分が楽しんでいる姿を見せることが、若い農家の励みになると思っている。また最近、マルシェなどに出店している他の生産者を見かけると、消費者と直接触れ合えることが、生産者のモチベーションに繋がっていると実感するそう。そうしたことをきっかけに、農業が盛んな東三河で楽しく農業をやっている若い生産者が増えて、東三河の農業をリードしていくようになれば良いなと教えてくれた。

それから、鈴木さんは東三河の美味しいものを届けることで、地元出身者が一度帰ってみよう、もっと言えば老後は田原に戻ろう、子供は自然豊かな田原で育てたいという思いに繋がればと取り組んでいるという。「地元出身者でなくても、東三河の食材に興味がある人には食べに来てもらいたいし、取り寄せて欲しいし、買ってほしい。そうできれば、この地域が産地として生き残っていけると思う。生産者として、東三河の「食」で東三河の外の人と関係を創り出したいですね。」鈴木さんの熱い思いが宿っていた。

編集後記

「生けちゃっぷ」は、現在、道の駅田原めっくんはうすのもぐもぐ工房で製造している。製造に携わる藤井さん、緒方さんにも話を聞いた。
このトマトケチャップは、鈴木さん特製のスパイスや砂糖など、鈴木さんの思いが詰まったもの。藤井さんたちもその思いに応えたいと、その都度トマトの状態を見極めて、水分を調整しながら、トマト本来の旨味、酸味、甘味を活かした商品づくりを意識しているという。
藤井さん、緒方さんから一言。「市販のケチャップとは異なり、とても濃く存在感があって、料理を美味しく引き立てます。パスタのソースやハンバーガーなどに適しているので、ぜひご家庭で使ってもらえるとうれしいです。」

しおくりん東三河

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