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竹島【蒲郡市】

うみエリア 事業者の声

田原市

完全無農薬のおいしい野菜からできた万能調味料「九条ネギ塩たれ」
~日本で一番喜ばれる野菜を届けたい~

道の駅田原めっくんはうす「田原のうまいだれセット-九条ネギ塩たれ」九条ネギ事業者:吉田園 吉田訓章さん

渥美半島の先端で「無農薬」栽培

愛知県田原市は、周囲を海に囲まれた渥美半島に位置し、温暖な気候が特徴。その渥美半島の先端ののどかな地域で野菜を作っているのが吉田園だ。現在、九条ネギを始め、春菊、ほうれん草、玉ねぎなど様々な野菜を“無農薬”で栽培している。今回、吉田園の吉田訓章さんにお話を伺った。

野菜づくりで日本一に

吉田園の野菜づくりのこだわりは“土”。土づくりの重要なポイントとなる堆肥は、養豚業を営む吉田さんのいとこが育てている、田原市のブランド豚「保美豚」の糞を利用している。
養豚では、豚の病気を予防したり成長を促したりする目的で抗生物質を与えることがあるのだが、吉田さんのいとこが営む養豚場では、抗生物質を使用していない。また飼料も遺伝子組み換えをされていないものを与えており、そうした方法で養豚を行っているのは全国でも5件ほどしか例がないそうだ。
無投薬で育てられた豚の糞から作る堆肥に加え、野菜の栽培も無農薬で行っているため、野菜が出来上がるまで一切薬に頼らない完全無農薬栽培を実現。吉田さんは、「同じ野菜でも土でぜんぜん味が違う。」と胸を張る。

野菜づくりで日本一を目指す吉田さんは、小学生で始めた卓球で中学の団体戦全国2位、高校では日本代表という経歴をもつ。「卓球で日本一になるという想いと、野菜づくりで日本一になるという想いは一緒です。それに加えて、自分で作った野菜を子供に食べさせたいという想いから、完全無農薬の野菜にたどり着きました。」と熱く語ってくれた。

日本で一番喜ばれる野菜を届けたい

吉田さんはコロナ禍になる前は飲食店やホテル、小売店など様々な場所へ野菜を卸していた。しかしコロナ禍でこれまでの卸先が休業となり、個人での販売を始めたところ、お客さんから生の声をもらうようになった。そこで多く寄せられた声が「様々な種類の野菜のセットがあるといろいろな料理ができる」というものだったという。日本で一番おいしい野菜づくりを目指していた吉田さんは、「次は、日本で一番喜ばれる野菜の詰め合わせを作りたい。」との想いで、多品種の野菜を栽培するようになったそうだ。

お客さんに3つの感動を

吉田さんは、お客さんに価格以上の喜びを感じてもらえるよう、大事にしていることが3つあるという。
1つ目は“味”。吉田さんは、日本野菜ソムリエ協会主催の野菜ソムリエサミットで、日本で初めてほうれん草で”1つ星”、春菊で”銀賞”を受賞した。その他の品種でも受賞歴がある吉田さんは、「私の野菜は、野菜本来の味がしっかりとして甘味があり、よその野菜と全然違います。これは土づくりの要因が大きいと考えています。」と語る。
2つ目は箱を開けた時の“見た目”だ。開けた時に緑ばかりになるとおもしろくないと、白や黄色、赤などのカラフルな野菜も入れるように意識しているとのこと。
そして最後は“香り”だ。吉田さんは、セットの中にバジルやローズマリーなどハーブ系の野菜を入れることで、香りも楽しんでもらえるようにしている。

今では、月2回、野菜の詰め合わせセットを50名ほどのお客さんに届けているとのこと。どうしたらお客さんに喜んでもらえるかを考え、インスタグラムで個別に要望を聞き、それぞれのお客さんの好みにあった野菜を選定するなど、希望に沿った野菜の詰め合わせをつくっているという手の込みようだ。

ホテルのシェフと開発した「九条ネギ塩たれ」

今回「しおくりん東三河」に登場した「九条ネギ塩たれ」の原材料の九条ネギは、夏場は虫食いで9割が破棄になってしまうという。しかし味は抜群だ。
吉田さんから一言。「九条ネギで出荷できないものをおいしく商品化できないかと、アークリッシュ豊橋のシェフと相談して商品化したものが「九条ネギ塩たれ」です。野菜にかけるドレッシングとして使ってもいいし、肉や魚、チャーハンやパスタにも使える万能の調味料です。おいしいのでぜひ一度ご賞味ください。」

無農薬野菜のファンづくり

吉田さんの無農薬栽培はとても手間がかかるため、SNSで体験ボランティアを募り、参加者には無農薬野菜をプレゼントしている。定期的に参加する人が20名ほど、参加者は無農薬栽培を応援したいという人が多く、遠い所では東京・大阪など大都市圏からくる人もいるそう。「一ヶ月に数日しかない休みの中で、1日を当園に捧げてくれて本当にありがたいことだと思っています。」という吉田さんの言葉には、感謝の想いが溢れていた。
吉田さんは、「毎日SNSでその日の出来事を報告しているのですが、それを見た参加者同士が共感してSNS上でつながり、コミュニティが生まれています。自分がやったことを実感し価値観を共有することで、自分の農園だと思って愛着がわいてくれればうれしいです。」と微笑んだ。

人に喜んでもらいたい

吉田さんは、個人販売も無農薬野菜のファンづくりも、人に喜んでほしいという気持ちが原点だという。
吉田さんは、「人が喜んでいるのをみて自分自身もうれしい気持ちになる、そんな生き方が幸せ」と語る。「渥美半島には、大規模農業では難しい無農薬農業をしているところがあるということを知ってもらえれば、渥美半島にくるきっかけにもなる。人と人とのつながりが希薄になっている中で、訪れる多くの方に新しい発見をしてもらう、その手伝いができることが自分の財産にもなっている。ぜひ一度吉田園に遊びにきてほしい。」と熱く語った。

編集後記

道の駅田原めっくんはうすの金子さんにインタビューした。
金子さんはどんな料理にもあう「九条ネギ塩たれ」を、タコとキュウリの和え物や、から揚げ、お肉の調味料などに使用している。
金子さんから一言。「生産者の吉田さんは野菜づくりにとても情熱を持っていて、こだわって育てています。「九条ネギ塩たれ」は道の駅での売れ筋商品ですので、一度試してもらえるとうれしいです。」

しおくりん東三河

中部ガス不動産株式会社 emCAMPUS FOOD

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